脆弱なゆめ



翼なんてはじめからなかったよ
ただ広い空ばかりひろがっていた
わたしが宿るのはきれいな窓辺
ここから離れたくなんてないのに

傷だらけの透明な夢を
犠牲にしてしまったあの日から
私はこどもであることを やめてしまった
だから私は 歩かなければならない
夜の果てまで
砂漠の果てまで

ねえ

翼なんて はじめからなかったよ
私をとりかこむ世界も
本当はずっと汚れていたの 気付かなかっただけ

ねえ いつから
「おとなになりたい」って思わなくなったんだろう

ほんとうのあいも知らないまま
私は窓辺から投げ出されるの







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