少年
少年がはしる。
壊れながらはしる。
もう残像すらもなく
あるのは耳に残る足音の余韻だけ
少年がはしる。
痛々しい焦燥をはしる。
全てをはねのけた
強く弱いまなざしで
自らの羽をむしりながら
音も無く
少年はどこかに、はしっていく。
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