ソドム


何百の祈りを押し込んだ
半透明の小さな球体の中
少年は静かに静かに
熟れていく

背徳の水鏡
引き寄せられたのは
かの重みが為だけではあるまい

炎天下の黒ミサ
恍惚の陶器の肌
静かに横たわる君と
君の抱く数多の夢に
僕は食指も動かせぬ

その身の豊穣は
屈折した神の愛
か細い腕を滑らかに巻き取る
毒蜘蛛の如き狡猾さで
匂いの絹織りあげる


血の滲んだヒヤシンス
湖畔に薫る水仙よ


爪で弾くは胡琴の髪
人身御供でなれそめる
処刑に焦がれた怠惰な果実
掻き回され狂った
壊れた夢の幻影達


ついぞ気付きはしなかった
ついぞ気付きはしなかった



「血の滲んだヒアシンス」「湖畔に香る水仙」はそれぞれ
ヒアキントスとナルシスの逸話より。





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