死体愛好家の晩餐会
月の糸に囚われた食卓
ストリキニーネのスウプをどうぞ
招かれた貴方は幸い
死体愛好家の晩餐会
-少女の段-
食べては戻す
嗤いながら肉を食む
赤ん坊が染みを作った純白のテーブルクロス
少女が一人 嗚咽を繰り返した
あの夜のことは
もう忘れること
-戯れの段-
腐敗臭の染み付いた人の群れ
「私をつれて逃げて、逃げて」
感動スペクタル
食事中の戯れも程々に
-躾の段-
倒錯のマナー教室
苦し紛れの強制談笑
不思議なもので
おかしくもないのに笑うと
段々おかしくなってくる
それが躾というもの
赤い月が漆黒に
燃える、燃える
何百年ぶりの天体観測
嗚呼、
目が焼かれていく…
もう気付きもしないのだ
断崖絶壁の足場にも
仮面を付けっ放しの生白い肌にも
もう
気付きもしないのだ…
月の糸に囚われた食卓
穢れを食しては
また吐き出すように
汚れていく
招かれた貴方は幸い
死体愛好家の晩餐会
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